SHARP(シャープ)買収による倒産危機による解雇連鎖?
- 2016.03.29
- 経営学
こんばんは、ICHIです。
日本を代表するSHARP(シャープ)が倒産の危機に面し、
台湾企業である鴻海(ホンハイ)に買収されることが決定しました。
シャープといえばまず日本人であれば誰もが知っている程の企業で、
2005年には就職したい企業の16位にランクインしていたのです。
それほどの企業がたった11年という月日の間に、
何が原因でこの危機的状況にまで落ちてしまったのか・・・
このブログではこの問題を
・シャープはなぜ倒産の危機にまで落ちてしまったのか
・鴻海企業とは何か?そして買収後どうなるのか
・SHARP(シャープ)倒産危機に学ぶヤバ過ぎる日本社会
というこの3つのテーマに分けて僕の考えと共にお伝えしてこうと思います。
お金がないから倒産するというのは間違え!?
今や日本を代表するSHARP(シャープ)という企業は、
穴がなくても止めることができるバックルの製造に始まりました。
そこからシャープペンシルを製造することにより一躍有名になり、
社名の由来もそのシャープペンシルのシャープから来ています。
以降総合家電メーカーとして日本中に名を馳せたシャープですが、
今では負債総額約3500億円にまで登ってしまう倒産寸前へと落ちてしまいました。
ニュースなどを見ているとそもそも借金が多いから買収された・・・
というような記事を良く見かけますが実はそうではないんです。
現状赤字でも今後伸びしろがある会社は
最初に設備投資などに費用を割いていることもありますので、
今後の伸びしろを見込んで借金をしている会社も多々存在します。
なので、
借金をしているから倒産するということは必ずしも一致せず、
僕達が判断基準として見なければ行けないのは“お金”が会社にあるのか?
という点になってきます。
つまり、
たとえ10億円借金をしていたとしてもお金として持っていれば、
そのお金を運用することができるわけなのですぐに潰れないということです。
私生活に置き換えるとわかると思いますが、
月に10万しか使用しない人が1000万借金をした場合
月10万しか使用しないわけなので来年破産することはないですよね。
年間120万の使用なわけなので880万手元に残るわけであり
その後も生活することは十分に可能なわけです。
一方で、
1000万借金してすぐに900万する高級車にお金を使った場合
“手元にお金がない”状態になるので来年に破産する可能性があります。
同じ借金なわけですが、
お金が手元にあるかないかによって大きく差があるわけです。
これは会社においても全く同じなので上記で説明したように
“お金がいくら手元にあるのか”
という点を見て会社を判断しなければいけないわけですね。
“お金”がなさすぎた苦しすぎるシャープ・・・
借金をしていても潰れる企業と潰れない企業という点を
“いくらお金を持っているのか”
という判断基準で見ることはわかりました。
では、
その点を踏まえて実際にSHARP(シャープ)の状況を
2015年の決算書と共に見ていきたいと思います。
この数字は流動負債と呼ばれるものであり、
“1年以内に返済しないといけない借金”
と捉えて貰えればと思います。
この流動負債の合計は1,686,954(百万円)となっており、
“企業としてお金を維持する為にはもちろんこれ以上のお金”
を営業利益としてかき集める必要が有るわけですね。
その借金の支払いに必要になるお金を集められているのか判断するのには、
流動資産と呼ばれる箇所を見ていく必要があります。
流動負債というのが先ほどありましたが流動資産はその逆で、
1年以内に現金化する売上などになります。
この流動資産の合計が1,299,195(百万)となっています。
先ほど記載した数字を見て頂けるとわかると思いますが、
1年以内に支払いをしなければいけないお金が1,686,954(百万円)
1年以内会社に入ってくるお金が 1,299,195(百万円)
なわけなので出て行くお金の方が多いことがわかります。
既に借金をしている状態なのにも拘らず、
利益で借金を返済することが全くできない会社なわけです。
つまり、
手元にお金が全く残らないということなので、
次に打つ手立てがなく倒産の危機に落ちいいっているということです。
そこで登場してきたのが今回買収に乗り出した鴻海という企業であり、
“この企業がお金を突っ込んでなんとかシャープを生き返らそう”
というのが今回のこの騒動なわけです。
正確には鴻海は株主にお金を払い株を買い占めることにより、
経営権を得て完全に傘下に置くという方向になっています。
鴻海の融資によりシャープは解雇をするのか!?
おそらく今回のこの買収問題において最も注目されているのが、
買収により今後解雇などは行われるのかという点です。
僕の意見としてはSHARPという企業を存続させるためには、
まずこの解雇を行ってくると見込んでいます。
上記で説明したようにこの会社は流動資産(1年以内に得るお金)が少なく、
それだけで借金返済をすることが全く出来ていません。
だからこそ今回の買収によりお金が入ってくるわけですが、
僕はそのお金の使いみちは以下の2通り有ると思っています。
・借金の返済
・解雇の為に必要になるお金
借金の返済
流動負債とよばれる1年以内に返済しなければいけないお金を返済出来ないわけなので
まずはその借金の返済の為にお金が当てられることは間違いありません。
しかし、
当然それに加えて無駄の切り捨ても開始されるわけであり、
そこで真っ先に目が充てられるのが無駄な工場の廃止や売却です。
そこで2つ目のお金の使いみちが出てくる訳です。
解雇の為に必要になるお金
シャープという会社は固定資産と呼ばれる工場や建物が非常に多く、
その切り捨てが行われてくるわけですが・・・
当然その工場や建物の売却などをすれば、
そこで働いている社員はほぼ確実に解雇になります。
しかし、
解雇と言っても簡単いに解雇できるわけではなく、
解雇をする為にはお金が当然かかります。
まずは即支払いが必要な借金の返済に鴻海のお金を充てつつ、
無駄を省くことによりお金を補充することでの体制立て直し。
そこから、
鴻海の戦略に則って経営をしていくことになると思いますが、
いずれにしても解雇はつきまとう問題になるかと予測しています。
SHARP(シャープ)買収による倒産危機による解雇連鎖まとめ
この決算書を見る作業というのは会計士が一般的に行う作業ですが、
今のあなたの会社の実情を理解する為にも必ず必要な項目です。
今や大企業だからといって安心ができない時代である。
ということが露呈して生きているわけですがその話題をホリエモンも取り上げています。
しかし、
今回の騒動もそうですが何故このような展開になっているのか?
ということを根本から理解しないかぎり常に不安がつきまといます。
この不景気の中買収というのはどの企業にも今後つきまとう不安であり、
そしてあなたがいる企業も直面する危機がやってくると思います。
鴻海は買収により何を行おうとしているのか?に加え、
更にシャープの買収劇に学ぶヤバ過ぎる日本の裏社会・・・
ということで深く掘り下げていきたいと思います。
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